【完全保存版】死ぬまでに行きたいル・コルビュジエ建築巡礼ルート

【完全保存版】死ぬまでに行きたいル・コルビュジエ建築巡礼ルート

【初級編】パリ近郊「3大名作」ワンデイトリップ

パリを拠点に、公共交通機関(RERやメトロ)だけで回れる、初心者にも最適な日帰りコースです。

午前:サヴォア邸(Villa Savoye)
朝一番(9:00頃パリ出発)でRER A線に乗り、終点「Poissy(ポワシー)」駅へ。そこからバスで丘を登ると、白い箱が浮いているような「サヴォア邸」が現れます。「近代建築の五原則」全てが凝縮されたこの邸宅では、ピロティからスロープを登り、屋上庭園に至る「建築的プロムナード」を体感してください。有名なバスルームの曲線美も必見です。

午後:ナンジェセール・エ・コリのアパート & ラ・ロッシュ=ジャンヌレ邸
午後はパリ市内に戻り、ブローニュの森近く(メトロ・Porte d'Auteuil駅)へ。コルビジェが晩年を過ごした自邸兼アトリエ「ナンジェセール・エ・コリのアパート」を見学します(※要予約)。ここは世界遺産でありながら、彼の生活の匂いが残る場所です。最後に、16区(メトロ・Jasmin駅)にある初期の代表作「ラ・ロッシュ=ジャンヌレ邸(現在はコルビュジエ財団の本部)」へ。吹き抜け空間と、パステルカラーの壁面の配色実験が美しいギャラリーは、最高のフォトスポットです。この3つを制覇すれば、コルビジェの基本理論はマスターできたと言えるでしょう。

【中級編】南フランス「光と祈り」の旅

レンタカーがあると便利ですが、電車とタクシーでも回れる2泊3日のルートです。地中海の光と、後期コルビジェの重厚なコンクリート作品を巡ります。

1日目:マルセイユ「ユニテ・ダビタシオン」
マルセイユへ飛び、巨大な集合住宅「ユニテ・ダビタシオン」へ。実はここ、建物内にあるホテル「Hôtel Le Corbusier」に宿泊することができます。住民になった気分で、屋上のプールや保育園、商店街を散策しましょう。夕暮れ時、屋上から眺める地中海は絶景です。

2日目:ラ・トゥーレット修道院とロンシャン礼拝堂
リヨンへ移動し、そこから電車でラルブレシュへ。丘の上に建つ「ラ・トゥーレット修道院」は、厳格な幾何学と波動ガラスが織りなす「祈りの空間」です。ここも事前予約で宿泊が可能。簡素な僧房で一夜を過ごす静寂体験は、一生の思い出になるでしょう。さらに足を延ばして、ベルフォール近郊のロンシャンの丘へ。「ノートルダム・デュ-・オー礼拝堂」の、あの自由な曲線を描く屋根と、分厚い壁に穿たれた色とりどりのステンドグラスから差し込む光の洪水を見るためだけでも、フランスに行く価値があります。

【上級編】魂の故郷スイス「レマン湖」ルート

彼の生まれ故郷、スイスを巡るルーツ探訪の旅。美しいレマン湖の風景とともに、若き日の彼の葛藤と成長を追体験します。

レマン湖畔:「母の家(小さな家)」とクラルテ集合住宅
ジュネーブから列車で美しい葡萄畑を抜け、ヴヴェイ(Vevey)へ。レマン湖のほとりにひっそりと建つ「母の家(Le Lac)」は、彼が両親のために設計した最小限住宅の傑作です。横長の窓(水平連続窓)が切り取るレマン湖とアルプスの景色は、一幅の絵画のようです。ジュネーブ市内にある「イムーブル・クラルテ」のガラスファサードもお見逃しなく。

ラ・ショー・ド・フォン:初期作品群
さらに北上し、時計作りの町ラ・ショー・ド・フォンへ。ここは彼が生まれ育った町です。美術学校時代の処女作「ファレ邸」や、両親のための「ジャンヌレ=ペレ邸」など、まだ「ル・コルビュジエ」になる前、「シャルル=エドゥアール・ジャンヌレ」時代の初期作品(アール・ヌーヴォー様式の影響が見られます)が点在しています。若き天才が何を見て、何に悩み、パリへと旅立っていったのか。その原点に触れる旅です。

【番外編】インド・チャンディーガルへの冒険

真のコルビジェファンなら、一度は訪れたい聖地、インド・パンジャブ州の州都チャンディーガル。デリーから列車または飛行機でアクセスします。

ここは都市全体がコルビジェによって計画された、世界で唯一の場所です。最大の見どころは、都市の北端にある行政地区「キャピトル・コンプレックス」。高等裁判所、合同庁舎、議事堂、および「開かれた手」のモニュメント。これらを見学するには、事前に観光局への許可申請(パスポート必須)が必要ですのでご注意を。強烈なインドの太陽の下、荒々しいコンクリートの塊が林立する光景は、もはや建築というより古代遺跡のような迫力です。ピエール・ジャンヌレがデザインした家具が、庁舎や大学で日常的に使われている(あるいは無造作に置かれている)のを見るのも、この街ならではの驚きです。

巡礼の心得:予約を忘れるな

コルビジェ建築の多くは2016年に世界遺産に登録され、世界中から観光客が押し寄せています。そのため、多くの施設で入場制限や完全事前予約制が導入されています。

特に注意が必要な場所:
- カップ・マルタンの休暇小屋(キャバノン): 見学ツアーは人数限定で、数ヶ月前から予約が埋まります。
- ナンジェセール・エ・コリのアパート: 開館日が限られており、予約必須です。
- ラ・トゥーレット修道院の宿泊: 人気のため、早めの予約をお勧めします。

旅行の計画を立てる際は、必ず各施設の公式サイトで最新の開館スケジュールを確認してください。そして、長く歩くことになるので、スニーカーなど歩きやすい靴でお出かけください。本物に出会う旅は、あなたの人生観を変える素晴らしい体験になるはずです。