LC7スウィベルチェア:360度回転する丸い椅子がもたらす、ダイニングとデスクワークの快適性

LC7スウィベルチェア:360度回転する丸い椅子がもたらす、ダイニングとデスクワークの快適性

円と曲線の幾何学:LCシリーズの異色作「LC7」アームチェアの誕生

ル・コルビジェ、ピエール・ジャンヌレ、シャルロット・ペリアンの3人が1928年に設計した「LCシリーズ」家具の多くは、「LC2ソファ」や「LC1スリングチェア」のように、直線的な立方体(スクエア)のスチールパイプフレームを基本骨格として持っています。しかし、そのラインナップの中で唯一、円と美しいカーブ(曲線)の幾何学を主役に据えた、極めて個性的でスタイリッシュなアームチェアが存在します。それが、360度回転する小椅子「LC7 スウィベルチェア(Swivel Chair、背座回転式アームチェア)」です。この椅子は、もともとシャルロット・ペリアンが自身の「屋根裏のバー」やアトリエのダイニングのために考案していたアイデアを、コルビジェらのアトリエで洗練させて LCシリーズの正式ラインナップに加えたものであり、モダンデザイン史における最も機能的で愛らしい傑作チェアの一つです。

ダイニングでの会話と移動をスムーズにする「360度回転機構」の利便性

LC7の最大の特徴であり、他のモダンチェアと決定的に異なる機能が、座面が360度スムーズに「回転(スウィベル)する」機構です。この回転軸により、重い椅子をわざわざ後ろに引いたり持ち上げたりすることなく、座ったままでスムーズに体の向きを左右に変えたり、立ち座りを行ったりすることができます。この機能は、食事中の家族との会話や、オフィス・書斎での作業中に振り返って横の資料を取るなどの動作を劇的に快適にします。1920年代当時、このような回転機構を持つ椅子はインダストリアルな工場用オフィスチェアに限られていましたが、ペリアンらはその「動きの利便性」に着目し、上質な本革とクロームメッキフレームで仕上げることで、高級なリビングやダイニングで使えるエレガントな家庭用デザインへと昇華させたのです。

背もたれとアームが一体となった「肉厚クッション」の絶妙なサポート感

LC7に腰を下ろした際、そのコンパクトな見た目からは想像できないほどの、包み込まれるような深い安らぎ(フィット感)に驚かされます。その快適さを支えているのが、背もたれからアーム(肘掛け)にかけて、背中をぐるりと半円状に囲む「肉厚のチューブ型クッション」です。このクッションは、人間の背骨や腰回りの骨格ラインに沿うように設計されており、座る人が少し斜めに体を預けても、どの角度からもしっかりと優しく身体をサポートしてくれます。丸い座面クッションも肉厚でしっかりとした弾力を持っており、座面の回転機構と相まって、長時間のデスクワークやディナータイムの談笑であっても身体が疲れにくく、人間工学的にも極めて完成度の高い座り心地の科学が詰め込まれています。

4本の細いスチール脚が織りなす、床面の美しさを損なわない透過デザイン

LC7の脚部フレームは、上部の肉厚なボリューム感のあるクッションとは対照的に、極めて細身で軽快な4本のクロームメッキスチール脚で構成されています。この脚部は中央の回転軸から外側に向けて緩やかに美しく広がっており、椅子全体の荷重をスマートに逃がすとともに、床面との接地面を最小限に抑えるように設計されています。この「浮遊感のある細い脚」のおかげで、ダイニングテーブルの周りにLC7を複数脚並べて配置しても、視覚的にテーブルの下が透けて見え、空間が重くならず、床面のフローリングやラグの美しさを損なうことなく、室内の透過性と開放感を最大限に高めてくれる視覚的なデザイン効果を持っています。

現代のダイニング、書斎、およびオフィスの主役にするコーディネート

現代のインテリアにおいて、LC7(イタリア・カッシーナ社製正規品)はその多才な機能性とコンパクトなプロポーションから、極めて幅広い部屋で主役として活躍します。最も一般的なダイニングチェアとしてはもちろん、書斎のワークデスクや、ホテルのような寝室のドレッサー用スツール、あるいは企業の役員会議室のミーティングチェアとしても圧倒的なステータスを放ちます。クッションの張り地には、豊富なカラーの本革(レザー)のほかに、温かみのあるファブリック(布地)も選択可能で、クローム塗装フレームのほかに、「建築的ポリクロミー」のシックな塗装フレームも用意されており、それぞれのインテリアのテーマに合わせた完璧なカラーコーディネートを楽しむことができます。