ル・コルビュジエの「二つの間に」とは何か?
コルビュジエの思想的転換点を表す重要な詩画集
「二つの間に」とは、ル・コルビュジエがにかけて、自ら執筆した詩とリトグラフ(石版画)を一体化させた詩画集です。
詩と版画をシームレスに融合させたページレイアウトは、読むたびに新たな気づきと連想を喚起し、視線を行ったり来たりさせながら内面の豊かな風景へ誘います。
石と牡牛という二つの主要モチーフは、コルビュジエの芸術哲学の核心を表現しています。石は建築的永続性と幾何学的秩序を、牡牛は生命力と有機的エネルギーを象徴し、両者の統合により静と動、理性と感情、文明と自然の調和を視覚化しています。
また「二つの間に」は作品全体を通じて、「二つ」あることの意味、「両極」が一貫したテーマとして扱われています。言葉と視覚的イメージの境界、現実と抽象の狭間、東洋と西洋の文化的接触点など、コルビュジエが生涯にわたって探求した「対立概念の調和」や「二元性の共存」を象徴しています。
インドという異文化との接触を通じて、コルビジェが体得した新たな世界観の表明でもあると思われるように、この作品はコルビュジエの思想的転換点を示しています。「もはやアクロポリスに行く必要はない。すべてがここ(サルケジ・ローザ)にある」という発言が示すように、西欧中心主義からの脱却と多文化的価値観の受容が表現された重要な作品です。
「二つの間に」とコルビジェのサインをモチーフにしたトートバック
「ル・コルビュジエ―諸芸術の綜合 1930-1965」(パナソニック汐留美術館)において販売用としてオリジナル・トートバッグを作成しました。
「水平線が 静寂をひろげる 夜の上に 海岸で」(ル・コルビュジエ)『二つの間に』はル・コルビュジエによる言葉と挿絵からなる版画集です。日頃の話題がつらつらと語られるなかで、二つの世界の間のなかには対話が生まれ交信がなされることを語っています。(大成建設ギャルリー・タイセイより)
この『二つの間に』の版画集から2つの作品とル・コルビュジエのサインをトートバッグのモチーフとして作成しました。
B4サイズの書類が入る大きなトートバッグで、ちょっとした買い物や大学の授業のテキストなども楽に入ります。